北海道では知らない人がいない存在だった5人組の演劇ユニットが、今や全国放送のドラマで引っ張りだこの人気だ。「TEAM NACS」の活躍ぶりについてコラムニストのペリー荻野さんが綴る。
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「我々の目標は優勝です!!」
ドラマ『ノーサイド・ゲーム』で、トキワ自動車ラグビーチームの新ゼネラルマネージャー君嶋(大泉洋)は、大会議室でこう宣言したのである。しかし、会議室の空気は「あちゃー」「何言ってんの」という感じ。金なし(14億円の運営費は会社のお荷物扱い)、人なし(有力外国人選手の契約更新を断念)、時間なし(チーム成績低迷で社の幹部が廃部を迫る)という最悪の条件の中、ラグビー経験ゼロの君嶋がどう動く!? 池井戸潤原作の『日曜劇場』らしい熱と大逆転の予感。ビール片手に見入るラグビーファンも多いに違いない。
それにしても、この夏は、TEAM NACSの面々の活躍が目立つ。TEAM NACSといえば、北海学園大学演劇研究会出身の森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真の5人組。舞台公演をすれば、もっともチケット入手が困難と言われる人気演劇ユニットである。
その5人のうち、現在は『日曜劇場』の大泉はじめ、地元北海道も舞台の朝ドラ『なつぞら』にヒロインなつ(広瀬すず)と親しい和菓子屋一家の店主で安田、幼なじみの父親役で戸次、なつが育った牧場の従業員で音尾が出演中。安田は6月まで『白衣の戦士!』に、戸次はフジテレビの月9『監察医 朝顔』にも強行犯係の刑事役で出演中だ。