これまで“隣人”の傍若無人ぶりに振り回され続けてきた日本政府が、“カード”を切った。フッ化水素などを対象とする今回の輸出規制発動が、今後の韓国を危機的状況に追い込む切り札となることを、日本側は用意周到にシミュレーションしていた。韓国・文在寅大統領は日本に対して強気かつ感情的な発言を続けているが、韓国経済への影響は非常に大きい。
振り返れば2017年5月に文在寅政権が発足して以降、韓国政府は北朝鮮との融和を進める一方で、日本を挑発する姿勢をとってきた。
「最終的かつ不可逆的な解決」のはずの慰安婦合意を反故にして、日韓基本条約で解決済みの徴用工問題を蒸し返す──さらに文喜相・国会議長が「天皇は戦争犯罪者の主犯の息子」「本当に申し訳なかったと一言いえば、(慰安婦問題は)すっかり解消されるだろう」と発言し、ソウルの市議会が日本商品の不買条例を発議するなど、反日キャンペーンはとどまるところを知らず、日韓関係は戦後最悪レベルに落ち込んだ。
それでも日本政府は「大人の対応」を見せ、表立った反発を避けてきた。しかしその裏で、“反撃”のチャンスを虎視眈々と狙っていた。官邸スタッフが打ち明ける。
「今回の規制輸出強化は突如出てきたプランではない。官邸の極秘指示を受けた霞が関は昨年12月ごろから各省の担当部門がシミュレーションを繰り返し、どのような措置が最も効果的かを慎重に練り上げていました」
◆韓国のGDPは2.2%減少