今季のプロ野球で際立つのが「大連敗」だ。6月、ヤクルトがセ・リーグ最多タイの16連敗を喫するや、パ・リーグ首位だった楽天も10連敗。さらにリーグ4連覇を目指す広島までもが11連敗と、悪夢が続いた。
連敗が続くと、チームの雰囲気は重くなる。
「数年前、セの球団が大型連敗した時、主力野手が“いくら点を取っても投手が抑えないと勝てない”と報道陣を前に投手陣を公然批判し、投手も“こんな雰囲気で勝てるわけがない”と応戦。ベテランが発言した選手を説教して収拾に走っていたが、ベンチは重苦しかった」(スポーツ紙デスク)
日本記録の「18連敗」を記録した1998年ロッテは、その比ではなかった。
連敗を16で止めるべく登板したエース・黒木知宏が9回2死2ストライクまでリードしながら、“最後の1球”で同点2ランを被弾―─黒木はマウンド上に崩れ落ち、ナインも呆然とするばかり。「七夕の悲劇」と今なおファンの間で語り草とされている“悪夢”だ。
この年のロッテで一軍コーチだった中村稔氏は「18連敗の前からチームの雰囲気は悪かった」と、当時を振り返る。1998年は開幕から好調で4月終了時点で首位。しかし、守護神の河本育之が故障で離脱すると順位も急降下。そこである事件が勃発する。