ジャニー喜多川氏(享年87)の「家族葬」には所属事務所のタレント総勢100人以上が集まった。さらに8月には「お別れの会」が予定されている。有名人の葬儀の裏には花の並べ方や焼香の順番まで、慎重かつ入念に準備された“序列”がある。
今年3月17日にこの世を去った内田裕也さん(享年79)も、親族だけの密葬を済ませた後、「ロックンロール葬」と題した「お別れの会」を開いた。
「堺正章らタレントが数多く参列しましたが、関係者を驚かせたのは案内状に書かれた主催者の名前です。裕也さんは個人事務所にもかかわらず、“芸能界のドン”といわれる大手事務所のトップ4人の名前が連なっていたのです。いかに裕也さんが芸能界で重要な存在だったかがよく分かりますが、それぞれの顔を立てるため、葬儀委員長、副委員長、世話人代表といった肩書きが付けられていました」(同前)
ベテラン芸能デスクの前田忠明氏が語る。
「各界を代表する“冠婚葬祭通”が集まって、弔辞の順番、花の順番から香典の金額までを決めるのが芸能界の葬儀です。たとえば歌手であれば、芸能事務所、レコード会社、テレビ局、そして業界団体それぞれの仕切る人がいて、事前に一同に集まって段取りを決めるのです。テレビに映るのは親交あるタレントたちの弔辞ですが、その裏には実に周到な準備がある」
会社の総務が仕切っていくサラリーマンの葬儀とは全く違う世界だ。香典の金額にも、芸能界ならではの風習がある。