超高齢化社会を迎えるいま、認知・判断能力が低下するリスクが高まる高齢者は、どんな備えをするべきか。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、脳の健康を保つ食生活4つのポイントと、3つの生活習慣を紹介する。
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不都合なことはなかったことにしようというやり口には、あきれてものが言えない。「老後2000万円」報告書の受け取りを拒否した問題は、そんな政府の体質を体現している。
しかし、政府が必死になればなるほど、よほど隠したい内容があるのだろうと逆に興味がわいてくる。あらためて報告書を読んでみると、確かに大事なことが書かれていた。
なかでもぼくがいちばん気になったのは、認知症の人の資産についての記述だ。認知症は年々増加し、2025年には700万人前後になると推計されている。その認知症の人が保有する金融資産は、2030年には200兆円を超えるとか。これは、個人の金融資産の1割に当たる額である。
そもそも65歳以上の高齢者の保有資産は、個人の金融資産の7割近くを占めている。報告書では、これらのデータを使いながら、認知症だけでなく、認知・判断能力が低下しつつある高齢者の資産をどう管理していくか、重要な課題の一つだとしている。
WHOは、つい最近、認知症予防ガイドラインを発表した。そこで強く推奨されているのは、運動習慣、禁煙、血圧のコントロール、糖尿病の治療だ。運動習慣を身につけながら、野菜をたっぷり食べ、血圧と血糖値を上げないようにすることが大切ということだ。あまり目新しさはないかもしれないが、内容は王道である。