この夏、韓国では燃え盛る反日の炎に油を注ぐがごとく、続々と「反日映画」が封切られる。慰安婦から徴用工までテーマはさまざまだが、その内容はいずれも“未来志向”の関係を築きたいと願っている日本人の思いを裏切るものだ。スクリーンに投影されるのは“忌まわしき日本”の姿ばかり。なぜ、こうなってしまうのか──。
◆日本の誠意は伝わらない
今夏の新作「反日映画」で、まず目につくのは、これまでも数多くの映画で題材にされた“慰安婦もの”だ。
7月25日には慰安婦問題をめぐる論争をテーマにした映画『主戦場』が封切られ、続く8月8日には、今年1月に92歳で他界した元慰安婦・金福童氏に密着した映画『キムボクトン』が公開される。
そもそも慰安婦問題は、2015年末の日韓政府間合意で「最終的かつ不可逆的に」解決したはずだが、その後、文在寅政権によって合意は事実上破棄され、元慰安婦らを支援するために日本が10億円を拠出して設立された「和解・癒し財団」も、7月上旬、一方的に解散させられた。
1990年代に始まった「アジア女性基金」による元慰安婦救済事業を始め、これまでの日本側の「誠意」を韓国側はことごとく退けてきた。
まるで“慰安婦問題を解決したくない”ようにさえ見える対応を韓国政府が続けているから、客観的事実に基づかない「反日映画」の製作が止まらない状況がある。