フッ化水素等の輸出管理問題を受け、ソウル市内では連日のように日本製品不買運動デモが行なわれている。訪日韓国人も減少し、日韓の溝は深まるばかりだ。しかし、彼らがどれだけ正しい知識のもとに反日運動をしているのだろうか。韓国政府がアナウンスする「嘘」「誇張」「妄想」を排し、正しい知識を共有することこそ、相互理解の第一歩ではないか。
韓国が実態よりも誇張する傾向は、国力だけでなく歴史や文化においても見られる。国史の礎となる「建国の祖」についてもそうだ。
約4000年前に天帝の庶子がメス熊を妻として産ませた「檀君」という人物が、平壌を都として建国した──そんな建国神話が韓国では信じられている。
この伝承に従えば、朝鮮の建国は紀元前2333年になる。日本にも初代・神武天皇にまつわる神話が残されているが、韓国では現在も国定教科書で檀君が「史実」として描かれ、政府の公式見解でも「国家の起源」とされている。
植民地時代の35年間は、「朝鮮半島の暗黒期」と称され、「日帝は『7奪』(主権、国王、人命、国語、名前、土地、資源を奪う)と言われる非道の限りを尽くした」というのが韓国での通説だ。元在韓国特命全権大使で外交経済評論家の武藤正敏氏が語る。
「日本の統治時代は鉄道、ダムなどのインフラに加えて教育制度も整備された。終戦時には国民学校への就学率が男子76%、女子33%に達し、識字率が4倍になったという事実もあるが、それを日本が言っても韓国は受け付けない」