大阪から始まり、全国に広がっているスパイスカレーブーム。“食べる漢方薬”と呼ばれるほど高い健康効果も注目されている。東京大学大学院でスパイスを研究する現役大学院生で、『ひとりぶんのスパイスカレー』(山と渓谷社刊)など著書がある、スパイス料理研究家・印度カリー子さんは、こう説明する。
「欧風カレーのルーは煮込むことで味が深まりますが、スパイスカレーは香りがおいしさの決め手。とはいえ、3種使えば充分です。煮る時間も10分以内と、実は時短で手軽。カレーの素になるペーストを多めに作って保存しておけば、好きな食材と水分を加えるだけでカレーが完成。
素をのばす際、牛乳や生クリームなどで変化をつければ、味の広がりも無限大。辛さは盛り付け後に加えられるので、調整しやすく、家族みんなで楽しめますよ」(以下同)
そこで、3種類の基本スパイスで作る本格的な“スパイスカレーの素”の作り方を紹介する。
“本格スパイスカレーの素”の作り方
■材料(2人分)
・クミン 小さじ1
カレー独特の香りは、クミンにある。香りが強く、少量でも他のスパイスに負けない。
・コリアンダー 小さじ1
パクチーの種を粉砕したもの。葉とは異なり、クセが少なくレモンに近い香り。とろみの素。
・ターメリック 小さじ1
カレーの黄色っぽい色はこれ。カレーに色をつけ、土のような香りと苦みで、味に深みを出す。
・サラダ油 大さじ1
この量でも充分おいしく、ヘルシーに仕上がる。オリーブオイルなど好みのものでOK。
・玉ねぎ 1個
しっかり炒めることで、コクが出て、とろみもつく。細かく刻むほど、炒める時間を短縮できる。
・にんにく 1片
パンチのある香りで、味に深みが増す。玉ねぎと同様、最初に炒めて香りをたたせる。
・しょうが 1片
辛みと香りをつける。最初に炒めることで、香りがより引き立つ。生はチューブより香りが強め。
・トマト 1個
自然な甘みと酸味が加わる。酸味が苦手な人は、しっかり炒めるとマイルドに仕上がる。
・塩 小さじ1
スパイスで香りをつけ、塩で味をつける。素には小さじ1だけ入れ、具材によって味を調える。