「ホワイト国除外」を巡る日韓の応酬を持ち出すまでもなく、光復節を控えた8月の韓国は“反日”と“民族主義”に染まる。例年は独立を祝うお祭りムードが主だが、今年は特別な雰囲気に満ちているという。ソウル在住ジャーナリストの藤原修平氏が報告する。
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韓国の「ホワイト国除外」を日本が閣議決定して以降、韓国ではタガが外れてしまったかのように、日本批判の声がかまびすしい。テレビの報道番組は多くの時間をこの問題に費やし、特番も各局こぞって放送されていて、一様に「日本が悪い」と連呼している。
そんななか、日本の植民地支配から解放された記念日である8月15日の光復節に関わるイベントは、いずれもかつてないほどの“反日感情”を曝け出しているようだ。
光復節前日の8月14日は、昨年から慰安婦記念日(日本軍慰安婦被害者を称える日)とされた。今年はその日が水曜日で、日本政府に慰安婦問題での謝罪や補償を求める抗議デモ「水曜集会」の開催日と重なる。当日は、現在は空き地の旧日本大使館前で開かれることになっているが、1400回目という節目の開催でもあるため、昨年以上の“盛り上がり”が予想される。
それに連動し、地方の都市部でも慰安婦関連のイベントが相次ぐ。ソウル郊外の利川市では慰安婦問題で日本糾弾の急先鋒だった元慰安婦・金福童氏(今年1月に他界)の銅像の除幕式(14日)が、韓国中西部・全州市では慰安婦問題関連の記録や著作を一堂に集めた“慰安婦展覧会”が開かれる(13日~17日)。
また、日本大使館に近接する光化門前一帯では、14日と15日、日本を糾弾する「ろうそく文化祭」が開かれるという。韓国のろうそく集会は親子での参加も多く、デモというよりお祭りの雰囲気があるのだが、朴槿恵政権を倒したろうそく抗議デモ(2016年)同様、全国からデモの支持者が観光バスで集結するだろう。「反安倍」を掲げる激しい集会になることが予想される。