平成から令和への御代がわりを経て、実質的に皇太子家待遇の「皇嗣家」になった秋篠宮家。「慢性的な人手不足」という課題に直面しており、最近になって秋篠宮家の職員に、経産省の現役官僚やOBが次々と採用されているという。
秋篠宮家に仕える職員になるルートは、大きく分けて3つある。1つ目は宮内庁職員の中から選ばれることだが、「紀子さまの厳しさをよく知っているので、宮内庁内部から手を挙げる人は皆無に近い」(宮内庁関係者)という。2つ目は、秋篠宮家が独自に採用するルートだが、一般募集をするわけでもなく、あくまで知り合い伝手なので人数は限られる。
◆安倍首相に近い官僚が「宮務官長」
最後の3つ目のルートが、他省庁の公務員に声をかけて、出向してもらうことだ。
「本来であれば、宮内庁と同じく旧内務省系の省庁(総務省や警察庁、厚労省など)や、国際親善の場面で重宝する外務省出身の職員が、皇族の周辺を固めることが多い。たとえば、天皇陛下を支える今の侍従長は外務省出身で、上皇侍従長も元外務官僚。宮内庁長官は総務省出身で、宮内庁次長は元警察官僚です。そうした体制は、戦後ずっと伝統的に続いてきました。
しかし、秋篠宮家の職員が“難しい仕事”であることが、関係各省庁に知れ渡ってしまっていて、今回はなかなか人材の確保ができなかったんです」(前出・宮内庁関係者)
困った宮内庁が触手を伸ばしたのが、地方の県庁に勤める地方公務員だ。秋篠宮家には三重県や和歌山県などの地方自治体からの出向者もいるという。
「そんな状況で、手を挙げたのが、経産官僚や経産OBでした。経産省から宮内庁への出向は、秋篠宮家以外では記憶にないぐらい、非常に稀なことです。そもそも、経産省は皇室の公務に大きくかかわることはありません。年に1度の天皇陛下による工場視察に携わるくらいでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
ところが、秋篠宮家には現在、経産省出身者が複数仕えている。侍従や女官にあたる、公務の調整や私的な交際までを対応する「宮務官」のトップである宮務官長の石井裕晶氏も経産省出身だ。