ソウル市中心部での「日本ボイコット」のデモ活動に目を奪われがちだが、韓国ではいま、不法占拠を続ける「竹島」を取り返されまいと、「日本に負けない」との機運が高まっているという。ソウル在住ジャーナリストの藤原修平氏が報告する。
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日本の輸出管理強化により「ホワイト国除外」とされた韓国では、いま、「独島(竹島の韓国名)」が熱い。日韓の間で2016年に結ばれたGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄まで取り沙汰されているが、そんななか、領土問題は国民を煽る格好の材料となるようだ。「独島領有」を今まで以上に声高に主張することで、日本を打ち負かそうという意識が社会を席巻しつつある。
韓国国防部は、独島の警備をこれまでの警察から海兵隊に移管するよう検討に入った。さらに光復節のある8月中に「独島防御訓練」を行うと発表した。この訓練は毎年二回行われるが、今年は8月に行うことによって、日本に「強力なメッセージを送ることができる」と韓国政府は考えているという。
自治体レベルでも動きは活発だ。ソウル近郊の京畿道議会は「ホワイト国除外」が発表された2日、独島訪問団を現地に送り込んだ。団長のアン・ヘヨン議員は、ホワイト国除外に対し、「京畿道民をはじめとする韓国国民は怒っている。戦犯国家である日本は独島が大韓民国の領土であるという歴史的事実を否定・歪曲するのをやめ、心を込めて謝罪をしなければならない」と述べた。
光復節に合わせて、独島のために寄付を集めるイベントも行われている。ケーブルテレビのオンデマンド放送を手掛ける会社が主催するもので、8月1日から15日までの約二週間。「No Japan 独島寄付プロモーション」という名称が物語る通り、先月から脚光を浴びている“NO NO JAPAN”という日本不買運動と連動している。