子どもが保育園に入れず、満足に仕事をできない父母のために、子どもを連れて職場で働く「子連れ出勤」を認める企業が増えている。だが、従業員の規模や職種の違いこそあれ、オフィス内に子どもを連れてくること自体に抵抗感を示す人が多いのも確かだ。そもそも、国の補助金制度もある企業内保育所の設置はなぜ進んでいかないのか──。働く主婦の調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長兼「ヒトラボ」編集長の川上敬太郎氏がレポートする。
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子連れ出勤と聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべるだろうか?「仕事場で見る親子の姿が微笑ましい」「小さなお子さんを連れての出勤は大変そう」「子どもが仕事の邪魔になりそうで迷惑」……など、イメージは様々ではないかと思う。
しゅふJOB総研が仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦層”に、単一回答で「子連れ出勤をする側、同僚として一緒に働く側、それぞれのあなたのスタンスとして最も近いものをお教えください」と尋ねたところ、意見は二分された。
働く主婦層は、自らが“子連れ出勤する側”にも、子連れ出勤の同僚と“一緒に働く側”にもなりうる。
結果は、“子連れ出勤することに賛成”の人の比率は、「子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも賛成」と「子連れ出勤するのは賛成、同僚として一緒に働くのは反対」を足した43.8%。反対は、他の2項目を選んだ56.2%となった。
一方、子連れ出勤の同僚と“一緒に働くことに賛成”の人の比率は、「子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも賛成」と「子連れ出勤するのは反対、同僚として一緒に働くのは賛成」を足した55.1%。反対は他の2項目を選んだ44.9%という結果が出た。
フリーコメントにも、全く異なる様々な観点からの意見が寄せられた。
“子連れ出勤することに賛成”の人は、「成長を見守りつつ幼稚園に入園するまで一緒にいたい」「保育園に預ける手間が省ける」「子連れ出勤しなければならない状況なら仕方ない」と、子育て時期ならでは事情を主張する。
かたや“子連れ出勤することに反対”の人は、「他の人に気を使って仕事に集中できない」「とにかく通勤が大変」「外遊びが出来ない環境に置くのは抵抗がある」と、働く立場、母の立場の両面から懸念を示す。
子連れ出勤の同僚と“一緒に働くことに賛成”の人は、「保育所に入所できなくて仕事に復帰できないのは残念なこと」「これからは働き方の多様性を受け入れないと企業は人を集められない」「子供は社会全体で育てていくもの」などと理解を示した。
子連れ出勤の同僚と“一緒に働くことに反対”の人は、「同僚の子がウロウロしてたら集中出来ない」「不妊治療中の方もいらっしゃるかも」「そもそも子供が嫌い」と、自分や自分以外の同僚の気持ちなども踏まえて反対する。