「辞めた理由なんてないのよ、飽きちゃったの」──40年間所属した太田プロダクションから独立した理由について、そう語るのはタレントの山田邦子(59)。今年7月に晴れてフリーの身となった。
「サラリーマンのみなさんだって、たいていは40年くらい勤め上げたら会社を辞めるでしょ? 私も、いい加減もういいんじゃないって思っちゃったの。数年前に太田プロも社長が代わって、お笑い芸人以外にも、歌手の方やアイドルやら、いろんな人が入ってきた。もともとお笑いの事務所だったのが、だんだん芸事を重視しなくなってきて、そこに違和感はありましたね。だからここ20年くらい辞める、辞めないの話し合いをしてて、なんだかんだ先延ばしになっていたのが、ようやくまとまった形です」(山田・以下同)
デビュー当時、素人参加型番組の常連だった彼女は、複数の事務所からの誘いを蹴って尊敬していたビートたけしが当時所属していた太田プロに「女性タレント第1号」として入社する。
「最初、『(月収)20万円でどう?』って言われたんだけど、すでにフリーでそのくらいの金額いただいていたので、お断りしたの。そしたら『ちょっと待って!』と言われて、1時間後に『もう10万上乗せして、30万円でどう?』って提案されたんです。契約書もなく口約束で、当時どこの事務所もそうだったんじゃないかな? でも、本当は他にもやりたいこともあったし、1年頑張ったら辞めるつもりだったの。そしたら1年経たないうちにすぐ(月収が)100万円になって、辞めるきっかけがなくなっちゃった」
そんな彼女が今年の7月に独立。奇しくも時を同じくして、吉本興業では宮迫博之、田村亮らの契約を巡って騒動が起きているが、そんな彼らを彼女はどう見ているのか。
「詳しい事情はちょっと分からないけど、辞めたいんだったら、辞めればいいのにね。吉本の芸人は可哀想よね、たぶんあまりお金もらってないんだろうし? それこそ『(オレたち)ひょうきん族』(フジテレビ系。1981~89年)の時代も、みんなでギャラの話になったときに、たけしさん(北野武)が、(明石家)さんまちゃんの給与明細を見て『おまえ、これ日払いか?』って聞いたの。でも、本当はそれで1か月分(笑)」