なにかと注目を浴びるサブスクリプション(定額継続)サービス。国内の市場規模(消費者支払いベース)は5600億円を超え、2023年には8600億円にまで伸びると予測されている(矢野経済研究所調べ)。最近では、化粧品や花が自宅に届くサービスや美容院のシャンプーし放題など、女性向けのサービスも多く見られるようになった。女性はこうした定額制にどう消費意欲を刺激されているのか。女性作家の内藤みか氏が実際に試して分析した。
* * *
お花やお菓子などを定期的に送ってもらえるシステムは多忙な女性にとても魅力的です。とはいえ、毎月定額で何かが送られてくるというサービスは、今までもありました。頒布会などという名前で、スイーツや洋服などが送られてくるというものです。
現代のサブスクリプションと言われるものと何が違うかというと、その人の好みによって送られる品がカスタマイズできるという点にあるでしょう。たとえばお菓子だとサイトで「小麦粉入りの製品は不可」「ドライフルーツはぜひ入れたい」などのリクエストを登録することができます。
私も試してみましたが、確かに自分好みに絞られた品が送られてくるので、かなりの満足感が得られました。100%自分で選ぶと、どうしてもいつも同じものになりがちで飽きてしまうのですが、AIが「好みに近い今まで口にしてなかったもの」を勧めてくれるのでとてもありがたいし、何が送られてくるのかが楽しみになります。
◆明らかにトクだと感じると財布の紐がゆるくなる
私は音楽を月額定額制の聴き放題サイトで聴くようになってから、CDショップに行かなくなりました。今まではCDショップで試聴しながら品を選んでいたのですが、聴き放題は月額料金さえ払えば何百万曲がタダなのですから、非常にオトクです。問題は、最新流行曲や一部のアーティストの曲は入っていないという点。私はBGM代わりに使う程度ですが、ヘビーな音楽好きの人には少し物足りないところはあるでしょう。
また、月額定額制の洋服のレンタルし放題に登録してからは、フリマサイトでほとんど服を買わなくなったのです。今までは、欲しい服があると、誰かが袖を通した品でもいいからできるだけ安く手に入れようと複数のサイトを見比べるなど労力を使ってきましたが、今ではトレンドの服を新品でレンタルできるようになったので、その必要がなくなり、今までフリマサイトで使っていた時間や労力を他のことに使えるようになり、余裕もできました。