夏休みも終盤を迎え、我が子や孫の「自由研究」が気になって、“何か手伝おうか?”と聞いてみる──だが、令和世代の小学生にとっては“ありがた迷惑”かもしれない。昭和世代の大人が手伝うことすらできないほど「自由研究」事情は激変していた。
愛知県在住の71歳男性は盆に帰省してきた小学3年生の孫の様子に困惑したという。
「せっかくいい天気なのにパソコンばかりいじっていて、暇そうに見えたので『自由研究の題材になるから虫でも捕りに行こうか』と誘ったら、孫から『これが自由研究だから』と言われて……暇つぶしのゲームか何かにしか見えなかったのでビックリした」
夏休みの宿題のなかでも、最も手間がかかる自由研究。アリの巣を作ったり、アサガオの観察日記をつけたり、電池とモーター、豆電球などを使った工作をしたりと、苦心した記憶が思い起こされるが、今やそうした場面はまったく様変わりしている。
楽天ブックスが発表した小学生の自由研究に関する書籍の売れ行きランキングで、『プログラミングって何?』(旺文社刊)が首位になっているのだ。懐かしの『アリのす観察キット』(学研教育出版刊)が2位に入ったものの、10位以内に4冊のプログラミング本がランクインしている。
そもそも「プログラミング」とは、コンピュータに意図した動作をさせるためのプログラムを組むこと……と説明されても、アナログ世代にはいまひとつピンとこないが、なぜ小学生の自由研究に用いられるのか。
教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、こう分析する。