脂質、炭水化物に続く三大栄養素の1つ「たんぱく質」は、乳製品に豊富に含まれている。腸内環境を整える健康食の代表である「ヨーグルト」を毎日食べている人も多いのではないだろうか。
しかし、ヨーグルトも選び方によっては危険が潜んでいるのだ。日本臨床栄養協会理事で名古屋経済大学准教授でもある早川麻理子さんが指摘する。
「飲むタイプのヨーグルトは、水分の含有率が多いものの、たんぱく質や乳脂肪などの栄養成分は固形のものとほぼ変わりません。しかし、“飲みやすさ”をかなえるために、砂糖や果糖ブドウ糖液糖などが添加されているものが多い。血糖値や中性脂肪の上昇につながります」
だが、固形のヨーグルトにも落とし穴がある。
「果肉入りヨーグルトに入っているのは、シロップ煮の果物がほとんど。糖分が多い上、生の果物に含まれる酵素や栄養素は期待できません。果物を入れるなら、プレーンヨーグルトに生の果物を切って入れるようにして」(早川さん)
カルシウムが豊富に含まれるチーズも、選び方を間違えると、せっかくの栄養が台無しになる恐れがある。
「プロセスチーズに使われている『乳化剤』とは、『リン酸塩』のことです。過剰摂取すると、カルシウムの吸収を妨げます」(早川さん)
カルシウムが不足すると骨粗しょう症になるリスクが高まる。プロセスチーズよりも、添加物の入っていないナチュラルチーズを選ぼう。ただし、調理法に気をつけたい。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんが語る。
「発酵食品であるチーズは、たんぱく質もカルシウムも脂質も、そのままの形で吸収しやすい食材です。逆に、ナチュラルチーズを加熱してしまうと、乳酸菌や酵素の活性が失われる恐れがあります」
さらにナチュラルチーズでも、スイーツによく使われるものは、太りやすいことを覚えておこう。