上位チームが連勝と連敗を繰り返し、混迷を極めるセ・リーグの首位争い。最大10.5ゲーム差で首位を独走していた巨人は、6連敗を経て一時は2位に0.5ゲーム差にまで迫られた。大ピンチから盛り返したように見える巨人だが、ファンやOBからは「まだまだ安心できない」という声も上がる。そうした中で、巨人、阪神、ヤクルトで4番を打った野球評論家の広澤克実氏は「リリーフ陣が踏ん張る展開に持って行くために“打撃陣の奮闘”が欠かせない」と指摘する。
今季の巨人打線を牽引するのが、「三冠王」も狙える位置にいる坂本勇人(30)だ。本塁打は自己最多の31本でリーグ1位、79打点で同2位、打率.309で同3位につける(成績は8月14日終了時点、以下同)。
「昨年より少しアッパースイング気味に変えたことが、本塁打の量産につながっている。打率は、2位の阪神・糸井嘉男(38)が戦線離脱したため、事実上は広島・鈴木誠也(25、打率.339)との一騎打ち。一方、2番打者だと打点が稼げないという心配がある。そこで浮上しているのが『4番・坂本』というプランです。打点タイトルのためだけでなく、チームの得点力もグンと上がる可能性がある。しかし、うまく機能している『2番・坂本』を動かすのは勇気がいる。“現状維持”か“劇薬”か、原辰徳監督も悩ましいところでしょう」(スポーツ紙デスク)
そんな話が出てくるのは、現在の4番が期待ほどの結果を残せていないからでもあるだろう。4番に座る岡本和真(23)は、21本塁打を放ちながらも打率.258、67打点と、3割30本100打点を達成した昨季の成績には遠く及ばない。