「歴代最強の横綱」は誰なのか? 相撲ファンなら誰もが気になる論争に答えを出したのが、NHKで放送された『どすこい!夢の大相撲 令和元年AI場所』(8月9日)である。
好角家の有名人らが3チームに分かれ、歴代横綱の中からドラフト形式で各チーム3人を選出。日本IBMが開発した“どすこいAI”に現役時代のデータを入力し、各チームの作戦に応じてCGで対戦するという企画で、初代若乃花―朝青龍(小股すくいで若乃花の勝ち)、北の湖―曙(押し倒しで曙の勝ち)といった時空を超えた“夢の取組”が次々と実現し、多くの相撲ファンを喜ばせた。
が、そんななか“座布団が舞った”のが大将戦である。優勝回数32回の大鵬、22回の貴乃花、そして42回で現役の白鵬という大横綱3人が巴戦で相まみえたが、白鵬が大鵬に突き落とし、貴乃花には上手投げで2連勝したのだ(残りの一番は貴乃花が大鵬を寄り切り)。
番組を見ていたあるベテラン親方は大荒れだったと、部屋の所属力士が明かす。
「うちの親方は、“大鵬が得意の両差しになって白鵬に負けるわけがない”と力説していました。貴乃花親方だって得意の右四つから上手を切られて投げられて負けるなんて考えられない。親方はNHKが現役横綱に気を使ったんじゃないかって勘繰っていました」
好角家で知られる芥川賞作家の高橋三千綱氏も、
「大鵬の本当の強さを知らない偏差値世代がやっているんでしょうが、時代時代で強さの在り方は違う。ナンセンスですよ」
と納得いかない様子。こうした声に、番組に出演した漫画家のやくみつる氏はどう答えるか。