放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は小林麻耶について。
* * *
『バイキング』(フジテレビ系)、『朝だ!生です 旅サラダ』(ABCテレビ、テレビ朝日系)、そして『痛快TVスカッとジャパン』(フジテレビ系)と、小林麻耶が連日、番組に出演している。
『バイキング』は夏休み特別企画の最終日を飾った、「復刻!小林麻耶の金曜花嫁修業~私、花嫁になりました~」。別スタジオで土田晃之をコーナーMCに「かつ丼」づくりに挑戦した。
ネットで「バイキング 小林麻耶」で検索すると、まず、この花嫁修業復活についての記事が出てくるのだが、続いて出てくるのは「倒れる」だ。2016年5月19日、小林麻耶は『バイキング』の生放送中に倒れ、救急搬送されている。
最愛の妹、小林麻央さんの闘病が、夫・市川海老蔵から明かされたのは、その直後。仕事の合間の時間を全て麻央さんのために捧げていた姉・麻耶のことが、多くの人に伝わった瞬間でもある。
◇麻央さんもバラエティーで活躍する姉を応援していた
これまで何度も書いてきたが、小林姉妹が最初に出たテレビ番組『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)の構成を担当していた私は、姉妹がどれだけ仲が良かったか、間近で見てきた。
年頃の女性なら、何が何でもカレシと過ごしたいであろうクリスマスや誕生日、「家族で過ごすのが好き」と言っていた姉妹。特に、麻耶の麻央さんへの溺愛ぶりは、年齢を重ねても全く変わらず、麻央さんの一周忌、姉妹が所属していた『セント・フォース』が中心になって開いた「お別れの会」で麻耶が読んだ手紙スタイルの弔辞には多くの参列者が涙したものだ。
『バイキング』もそうだったと思うが、麻耶が麻央さんの病室から現場入りして出演し続けていたのは『~スカッとジャパン』。「ぶりっこOL」内田美樹は、同番組の人気キャラクターの中で、良くも悪くも、もっとも有名で、麻央さんは、これを見るのを楽しみにしていたそうだ。
妹の病状をもっとも詳しく知っていた麻耶が、ふだんの自分のさらに上をゆく“ぶりっこ”をハイテンションで演じることは、さぞ辛かったと思う。
そして、料理や家事をことごとく失敗する『バイキング』の花嫁修業は、梨園の妻であり、二人の子供をもつママでもあった麻央さんにとっては、足を引っ張られかねない企画だったようにも思うが、それも麻央さんは楽しみにしていたと聞く。
だからこそ、『バイキング』の生放送中に倒れたことは、麻耶にとって不覚だったと思う。絶対に麻央さんには知られたくなかったことだっただろうし、そんなことで妹に心配をかけたくなかっただろう。
その後、麻耶は自身も休養に入り、しかし、麻央さんのためには、身を削って動き回り、病室に笑顔を届け続けた。