韓国にも文在寅政権が突き進む反日姿勢とは一線を画し、冷静な提言を投げかける識者は一定数いる。だが、韓国内で彼らの主張が知られることはほぼない。
そこには、韓国メディアの深刻な問題があると指摘するのが、近著『韓国「反日フェイク」の病理学』がベストセラーになっている日本在住の韓国人ジャーナリスト、崔碩栄(チェ・スギョン)氏だ。
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最近の韓国マスコミ、とくにテレビからは政権批判の声がまったく聞かれなくなりました。
コメンテーターは文大統領の政策をただ持ち上げ、アナウンサーもそれに相槌を打つだけ。とりわけ大きな影響力を持つKBSとMBCという2つの公営放送では、文大統領の「反日親北」思想が垂れ流され、それが過激な反日思想や今回の不買運動にまでにつながっています。
全ての原因は、権力とテレビ局の歪んだ関係にあると私は考えています。李明博、朴槿恵と9年間にわたった保守政権の間、テレビ局の労組は反政府闘争を繰り広げてきました。
李大統領就任直後の2008年5月、BSE(牛海綿状脳症)感染の疑いがある米国産牛肉の輸入反対デモが起こりました。ピーク時にはソウル市内で70万人が集まった大規模なもので、次第に李政権退陣を求めるデモへと発展していきました。
デモのきっかけは、MBCの看板報道番組『PD手帳』が、BSEに感染した牛肉の輸入問題をリポートしたことです。