メルセデス・ベンツのコンパクトモデルである「Bクラス」がフルモデルチェンジとなり、新型モデルが6月より発売されている。新しくなったBクラスはどのようなクルマで、そもそもBクラスの存在意義はどこにあるのか──。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が試乗レポートする。
* * *
メルセデス・ベンツの乗用車系ラインナップは、小さいほうから大きいほうに向けて、「Aクラス」「Bクラス」「Cクラス」「Eクラス」「Sクラス」とあります。もともとは、比較的コンパクトなCクラス、ミドルセダンのEクラス、そしてフラッグシップのSクラスというラインナップがあり、後になってAクラスとBクラスが追加されました。
ちなみにAクラスは、欧州車でいえばフォルクスワーゲンの「ゴルフ」、日本車でいえば最新のトヨタ「カローラ・スポーツ」というサイズ感です。ただし、プレミアム性はまったく違い、もちろんAクラスの方が断然高額になっています。
今回、紹介するBクラスは、2005年にAクラスの派生モデルとして誕生しました。そのため、サイズ感はAクラスとBクラスでほとんど変わりません。では何が違うかといえば、背の高さです。Bクラスは背が高い分、室内が広々としているのです。
つまり、メルセデス・ベンツのエントリーモデルであるAクラスを、より実用的にしたのがBクラスでした。
Bクラスのメインターゲットは、ずばりヤング・ファミリー層で、この狙いがヒットします。それを見たライバルであるBMWも、2014年に同じコンセプトとなる「2シリーズ」を販売。メルセデス・ベンツとBMWという2大プレミアムブランドがモデルを用意したことで、このジャンルはすっかり定着したと言っていいでしょう。