ディープインパクト、キングカメハメハという名馬2頭が相次いで急逝したことは明らかに時代の節目を意味する。しかし、物語の幕が降りるわけではない。競馬歴40年のライター・東田和美氏がレポートする。
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現役時代に華々しい活躍をし、2011年からずっとリーディングサイアーの1、2位に君臨していた種牡馬が相次いで急死したことで、競馬ファンのショックは大きいが、これだけの大種牡馬になると、まだまだ生きているように歴史を動かしていく。
サンデーサイレンス(SS)は1995年にリーディングサイアーの座についたが2002年に死亡。その翌年の2003年に母の父、つまりBMSとして5位にランクイン。翌2004年当然のように1位になると、2018年まで首位を守り続けている。死して17年経つ今年も出走回数・勝利数とも2位のクロフネを大きく引き離しており、まだ2、3年はこの座を守りそうだ。
キングカメハメハはサイアーベスト10にランクインした9年後になる昨年、BMSの2位にランクイン。ディープは後継種牡馬はまだ決め手不足だが、牝馬に関しては傑物ぞろい。2011年にサイアーベスト10にランクインして昨年早くもBMSで12位。今年はベスト10にランクインし、やがてサイアー、BMSの同時1位にもなるだろう。今後SS直子の産駒は徐々に減り、ディープとキンカメがBMSの1、2位に君臨して鎬を削る時代が10年ほど続く。
BMS上位には他にもスペシャルウィーク、アグネスタキオン、ダンスインザダーク、フジキセキといったSS産駒がズラリ。非サンデー系ではキンカメの他フレンチデピュティ、クロフネ、シンボリクリスエス、ブライアンズタイムなどがいるが、これらの産駒にはSS系と配合した牝馬も多い。
余談だが、2011年からサイアーベスト10の常連だったステイゴールドがBMSとしては不振。2018年のランクは81位、10勝しかしていない。2009年にリーディングサイアーになったマンハッタンカフェもBMSランクでのベスト10入りはない(2019年20位)。繁殖牝馬として結果を出していないということだ。
日本のサラブレッドがSS系で飽和状態になる懸念はずっと前から指摘されていた。昨年の種牡馬ランキングのベスト20までの半数以上はSS系。しかし、いまやエピファネイアやリオンディーズ、モーリスのようにSSが3代前になる種牡馬も登場、SSの4×3も可能になり、すでに結果を出し始めている。