8月24~25日に放送された『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)で、お笑いコンビEXIT・兼近大樹(28)の元カノが出演し、「かつて二股していた」という内容が放送された。その後、元カノがYouTubeで番組スタッフから「兼近の悪いエピソードいっぱいください」と言われていたことなど裏側を明かし、放送に「ヤラセ」があったのではないかと疑惑が浮上している。ライター・井上絵美里氏が、放送作家として働いていた経験を元に、今回の件を考察する。
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人気急上昇中のEXITの兼近が、『24時間テレビ』内の「二宮和也のあの人に会いたくない」という企画で、中学生の時に交際していた元カノと対面した。兼近が二股をしていたというVTRが流れたが、本人は「盛りすぎている」と否定。
その後、元カノが自身のYouTubeチャンネルで、スタッフから「実は、兼近さんは二股をしていたんですよ」と聞かされたことを明かした。さらに番組内で否定する兼近を見た彼女は「二股してないんだろうな」と感じたという。
この一件に対し、ネットでは、兼近を擁護するコメントが多数上がるとともに、番組スタッフへの批判が繰り広げられている。テレビをめぐっては、たびたびこうした制作体制が問題になる。そのたびに思い出すのが、私がかつて放送作家の卵として働いていた頃の仕事だ。
◆「ドケチ主婦」企画を「節約主婦」として募集
その時は、番組側から「ドケチ主婦を探す」というリサーチを依頼された。節約術を紹介するブログを調べ、出演してくれそうな人を探すと、ある主婦と連絡が取ることができた。見ず知らずのテレビスタッフからいきなり連絡が来たのにもかかわらず、丁寧な対応をしてくれたのが印象的だった。
その際、違和感が拭えなかったのは、番組側から「企画内容を説明する際に『ドケチ』という言葉は使わなくていい」と言われたことだった。「ドケチ」というワードでは引き受けてくれないとわかっていたのだろう。新人だった私は言われた通り、企画書に「ドケチ」ではなく「節約主婦」と書いた。件の主婦は、テレビに顔を出すことをためらっていたが、企画書を読んで出演を了解してくれた。
「節約主婦」として出演依頼されたのに、いざテレビを見たら「ドケチ主婦」として登場していたら、この女性はどう思うのだろうか──そう思いながらも、私はただの新人リサーチャーなので、相手の連絡先などを聞いて上の人にパスするだけだった。