「いままでより劇的な週末をお過ごしください」──馬単と三連複の発売が開始されたのは平成14年。ファン拡大を目指したワイド馬券が発売されたわずか3年後のことだ。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、馬単と三連複の効果的な買い方についてお届けする。
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1、2着馬を着順通り当てる「馬単」と、3着までに入る3頭を当てる三連複では、馬券を買う時の考え方がかなり違うが、馬連、馬単、三連複の高配当ランキング1位は同じレースだ。
2006年の3歳未勝利戦。16頭立てで13番人気、12番人気、8番人気の決着。馬連は50万2590円、馬単は149万8660円、三連複は695万2600円。三連単はまだ後半4レースだけしか発売されていなかったが、三連複の第2位(550万8830円)にランクされた2017年のレースが、三連単では2294万6150円。それぞれの配当は連動するものではないが、かなりの馬券になっていたはずだ。
馬単はそれまでの馬連で高配当の恩恵に与ったファンが、さらなる高みを目指したからか、発売開始の翌年には売上の24%ほどを占めることになる。馬連が20%ほど落ちたので、馬連派の多くが馬単を買うようになったと考えていいだろう。しかし、馬単の購入率はこの時が最高で、以下年を追うごとに下降、昨年度は6.6%ほどで、複勝よりも売れない馬券となってしまった。
馬連や枠連も同じようにシェアを落としていることを考えると、「当たらないから売れなくなった」ということではなさそう。三連複が発売翌年の24%という購入率をそれほど落としていないところをみると、この2年後に発売が開始された三連単に食われたということだろう。
しかし前述のように馬単は、競馬というスポーツとしては正統派で潔い買い方だ。とくに馬主やクラブ会員は、愛馬を1着に固定して流すケースが多い。勝って次のステージに上がってほしいので「2着じゃダメなんです」というわけだ。