芸能

『前澤友作物語』は立川こしらと立川吉笑のリレー形式新作

「あの人」が江戸時代に跳ぶと…(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、立川こしらと立川吉笑の二人会でネタ下ろしされたリレー形式の新作『前澤友作物語』についてお届けする。

 * * *
 古典をネタに遊ぶ立川こしら、新作で論理を弄ぶ立川吉笑。異才2人が7月18日に国立演芸場で「伝統芸能鑑賞会~文月」という人を食ったタイトルの二人会を開いた。

 開口一番はこしらの弟子かしめの『鈴ヶ森』。続くこしらが5分で『片棒』を聴かせ、吉笑が代表作の『ぞおん』(ゾーン状態に入って猛スピードで仕事をこなす番頭の噺)を演じた後、こしらと吉笑はリレー形式の新作『前澤友作物語』をネタ下ろしした。ZOZOの前澤社長が月の裏側で見つかったタイムマシンを手に入れて令和から江戸時代に跳ぶ噺だ(なお、登場する人物名、団体名はすべて架空のものである/笑)。

 こしら演じる「上」は「先祖に会いたい」と夢を語って前澤がバラ撒いた百万円を手にするニートのエイト君が主役。吉笑演じる「中」で、彼は前澤や側近と共に1725年の江戸にタイムワープ、前澤は現代のノウハウで江戸の経済を牛耳る。狙いは未来世界での独り勝ちだ。

 前澤は将来の黒船来襲に備えて湾岸の土地を買い占めるが、一軒の長屋が立ち退きを拒否。邪魔な長屋に前澤が嫌がらせをすると、住人は奉行の大岡越前に訴え、前澤は五兆両の科料を命じられた……ここでこしらに交代して「下」へ。

 何故か史実より百年以上早く黒船が来襲。慌てた前澤は自分が未来人であることを奉行に打ち明け、湾岸に巨大レールガンを建設して黒船に立ち向かうが、なんと向こうにはジョブズが考案した防御フィールドが……というところで噺は終わる。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン