東京・下北沢の本屋B&Bで開催された作家・山田詠美さんとネットニュース編集者の中川淳一郎さんと博報堂ケトル・嶋浩一郎さんが「今の世の中に言いたいこと、ぶちまけます」と題するイベントを行った。
芥川賞の騒動についてや、ネットニュースの見出しがおおげさ! というツッコミなどで、会場は沸き立つ。笑い、頷き、そしてまた笑う、とどまることを知らない“山田ワールド”が続いた。
◆不倫が悪いことだとは私はまったく思わない
会場の空気がすっかりほぐれたところで、話題は芸能ネタへ。芸能人の不倫謝罪から吉本興業社長の言い訳まで、最近注目の会見の中で、山田さんが「なっとらん、ドーン!(机を叩く音)」となったポイントとは?
中川:さっきのネットニュースのタイトルには「歓喜」とか大袈裟な表現が頻出する、といった話に戻りますが、僕は作家の言葉のセンスがすごく気になるんですよ。山田さんはセックスをHと言い換えるのもイヤなんですよね。そう言われると激怒します?
山田:激怒はしないけど、ケッとは思うよね(笑い)。だって、そういうふうに誤魔化さなくてもいいじゃない。なんだか貧乏くさい感じがする。
中川:女性セブンの連載コラム「日々甘露苦露」では原田龍二の不倫謝罪会見にも嫌悪感をあらわにしてましたよね。ラブホテルに行く金をケチって4WDでやりまくった男。
山田:まあ、不倫とかは別にいいんですよ。私は自分と無関係の不倫を道徳的に悪いと思ったことがないので、やりたい人はどんどんしてください。あの会見で許せなかったのは、不倫発覚で奥さんに何と言われたかと聞かれて、「『原田、アウト』って言ってくださいました」って答えたんですよ。妻に敬語を使う夫の言語感覚が嫌なわけ。
中川:吉本興業社長の会見は? あれもまあグダグダのひどい内容でしたけど。
山田:吉本の社長の会見は、内容以前に50代にもなって「僕的には~」と平気で言ってしまうセンスの悪さですよ。私、言葉のセンスには面倒臭いんです。体を「カラダ」にしたり、「ホメる」「イヤ」とか意味もなくカタカナに置き換えるのも駄目ですね。
中川:申し訳ございません。まさに僕です(笑い)。