8月28日午前0時、韓国をホワイト国(輸出優遇国)から除外する日本の政令が施行された。すると早速、韓国政府は日本をWTO(世界貿易機関)に提訴する手続きを進めると表明した。
GSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄のきっかけとなった「日韓経済戦争」にも出口は見えない。
7月4日に日本政府は、「安全保障上の輸出管理措置」として半導体やディスプレイの製造に必要な感光材(レジスト)、エッチングガス(フッ化水素)、ディスプレイ用樹脂材料(フッ化ポリイミド)の3品目について、従来の簡略な手続きを改めて、個別に輸出審査を行なう方針に切り替えた。
続いて8月2日の閣議で、輸出先として信頼できるホワイト国から韓国を除外する法令改正を決定。
一連の対応に憤った韓国政府は、戦略物資の輸出優遇国から日本を除外するなど対抗措置を取っている。
激しい応酬の中、「経済的なダメージは韓国がはるかに大きい」と指摘するのは、ニッセイ基礎研究所の金明中研究員だ。
「そもそも韓国経済の命綱は貿易で、GDPに占める貿易依存度は2017年時点で68.8%と日本(28.1%)の倍以上です。しかも韓国のシンクタンクによると、日本から輸入する4227品目のうち、日本への輸入依存度が50%以上あるものは253品目に達し、さらに90%以上が48品目あります。それほど日本への輸入依存度が高いため、日本政府による輸出管理の強化は韓国政府に大きなダメージを与えます」