大人計画に所属する個性派役者・皆川猿時(48)に注目が集まっている。NHK大河ドラマ『いだてん』、大ヒットドラマ『あなたの番です』などに出演、独特の存在感を発揮している。その魅力について、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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令和最初の夏。私の頭の中で鳴り響いていたのは、「猿時の番です」という言葉だった。この夏、猿時はすごく頑張った。
大河ドラマ『いだてん』では、第2部の主人公・田畑政治(阿部サダヲ)のよき相棒で、帝大水泳コーチのカクさんこと松沢一鶴役。オリンピックで水泳ニッポンを世界一にするため、新聞記者の仕事そっちのけで走り回る田畑のことを「まあちゃん」と呼び、「まあちゃんのためなら、ひと肌脱いでやろうと思うんだよ」というカクさんは、田畑に「温水プールがいるな」と言われ、帝大の実験施設を温水プールに改装。多くのメダリストを育て上げる。
一方、ドラマ『あなたの番です』では、連続殺人事件を捜査する刑事・水城役。妻を殺された翔太(田中圭)としばしばベンチに腰掛け、現場に残された足跡のサイズやら凶器のナイフやら、そんなこと教えちゃっていいのかと思うようなことを教えちゃう水城は、同僚刑事・神谷(浅香航大)を殺害され、犯人逮捕に執念を燃やす。
声を枯らして選手に声援を送り、勝てばまあちゃんと抱き合って喜ぶカクさん、あやしいとにらんだ男を「おりゃーっ」とタックルのように確保する体当たり刑事・水城。どちらも熱い男だが、朝ドラ『あまちゃん』の高校教師役で見たときとは、少し違って見える。あの先生は、声も動きも目も肩幅も大きく、毛むくじゃらで暑苦しいイメージだったが、なぜかこの夏は、違って見えるのだ。
どこが?と思ったら、『いだてん』出演に際しては約20キロダイエットしたという。さらにロサンゼルス五輪のエキシビション、日本選手団がふんどし姿で「日本泳法」を披露するシーンには、カクさんも出演。まさしく「ひと肌脱ぐ」場面になったが、そのお肌はつるつるだった。そりゃ、違いますわ。