父が急死したことで、認知症の母(84才)を支える立場となった女性セブンのN記者(55才)が、介護の裏側を綴る。
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友人の義母が転倒し、骨折したと聞いて心配していたら、なんと白内障だったと判明。視力の衰えなど目の不具合は、本人は気づきにくいもの。母は年1回の長寿健診で診てもらっているが、定期的なチェックが必要だ。
◆「よく見えていない」が転倒の原因になることも
「お義母さんが自宅で転倒して、救急車で運ばれたのよ。いつも、何をするにも慎重でスローな人なのにねぇ」
そう電話してきたのは私と同年代の友人。近距離の別世帯で70代後半の義父母を見守っているが、2人とも認知症や重い持病がないせいか、彼らの健康状態には少々無頓着。初めての救急搬送騒ぎに、友人の方が興奮気味だった。
幸い手首の骨折だけで済み、のんきに皮肉を言っていたが、「骨折からの寝たきり」という高齢者の一大リスクと背中合わせだったことも確かだ。
「義母が『なぜ転んだのかわからない』と訴えると、医師が『ちゃんと見えてますか?』って。それで調べたら白内障だったのよ。それも結構、進んでいるらしくって…。見えていないこと、自分で気づかないのかしら?」
この話を聞いて思い出したのは、母も独居が始まった頃「ガスコンロの火が見えない」と、よく前髪を焦がしていたことだ。介護ビギナーだった私は、チリチリの母の前髪にも腰を抜かしたが、認知症も激しく悪化していたから、失敗の言い訳だろうと高をくくっていた。母の目より、火事になることの方が心配で、転居先探しに奔走していた。
◆高齢になったら定期的に眼科検診を