再婚を考える歳、決断に影響を与える要素のひとつが、相手に子供がいるかいないかだろう。結婚すれば身内になるのだから、考えなくてはいけないことはたくさんある。再婚相手の成人した子供と養子縁組をした場合、どんなメリット・デメリットがあるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。
【相談】
54歳になります。恥ずかしながら、再婚したいと思っています。気になるのは再婚相手に23歳になる娘がいること。知人の話によれば、養子縁組をしなければいけないとか。でも、娘は成人なのでピンときません。そこで成人した子供と養子縁組を結んだ場合のメリット、デメリットを教えてください。
【回答】
再婚相手の子供と養子縁組を結ぶ義務はありません。養子縁組は、養親や養子になる人同士の任意の合意によるべきもので、義務付けされることはないのです。親子の親愛の情を抜きにして損得で考えれば、養子縁組で生じる負担としては、まず扶養義務があります。連れ子が未成年者なら、養子縁組で親権者になるので、監護や教育をする義務を負います。
養子が成人でも、法律上の親子になり、養子が扶養を必要とする状態だと当然に扶養義務を負います。養子にしなければ、妻の子供として一親等の姻族にすぎないので、家庭裁判所の命令がない限り、具体的な扶養義務は生じません。