一括表示名「イーストフード」は、パンに使われる酵母の「イースト菌」とはまったくの別物で、イースト菌の発酵を促すために使われる。
硫酸カルシウム、リン酸三カルシウムなど、計18種類の添加物の中から数種類を組み合わせて一括表示されている。なかでも、強い毒性が不安視されているのが、塩化アンモニウム。大量に摂取すると嘔吐や昏睡を起こす危険性があり、犬の場合は6~8gの摂取で死に至ることが確認されている。
◆一括表示の至るところに「リン酸」で骨粗しょう症リスク
pH調整剤や乳化剤、膨張剤など一括表示された添加物に、最も幅広く含まれるのが「リン酸」だ。肉や魚、大豆などにも含まれる「リン」は、骨や歯を健康に育成する必須栄養素のひとつでもあるが、現代の食生活においてはマイナス面が際立つ。消費者問題研究所代表の垣田達哉さんはこう話す。
「カルシウムとリンは1対1のバランスが好ましいとされていますが、加工食品に非常に多く添加されているため、現代人はリンの過剰摂取が問題とされています」
指定添加物リストには、リン酸類の添加物は計17品目も記載されているが、その使用実態は見えない。
「リン酸を大量に摂取するとカルシウムの吸収が阻害され、骨粗しょう症のリスクが高まると指摘されています。また、動物実験では、腎臓や大動脈に石灰が沈着する現象が起こることがわかっている。腎結石や動脈硬化につながる恐れがあります」(郡司さん)
“添加物の王様”と揶揄される「リン酸」。摂取しないためには、添加物そのものを避けるしか方法がない。