総合ランキングの堂々1位に輝いたのは、納豆。8項目中7項目でポイントを稼ぎ、総合点数で2位に2倍以上の大差をつけた。管理栄養士の磯村優貴恵さんが王者の所以を解説する。
「納豆は良質のたんぱく質をふんだんに含むうえ、納豆菌の力で腸内環境を整えることができます。さらに原料の大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと似た働きをするため、更年期障害の症状も緩和が期待できる。そのうえ、パックになっているので調理の手間がかからず、軟らかくて食べやすい。簡単に継続して取り入れられるのも大きな利点で、あらゆる意味で最強の万能食品だといえます」
腸内環境を整えることは、便秘や肌荒れを防ぐだけでなく、免疫力を上げる、肥満を予防するなど、さまざまな健康効果につながる。2位のヨーグルト、12位のみそと、上位に発酵食品が目立つのも納得の結果だ。工藤内科副院長の工藤孝文さんも、納豆とヨーグルトは毎日食べていると、太鼓判を押す。
「これらの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やしてくれる細菌がそのままの形で腸まで届く。吸収されやすく、整腸効果が高い、いわば“生きた食べ物”なのです」
体をつくるもととなるたんぱく質が豊富な肉や魚への評価も高く、3位にいわし、4位に豚肉、8位にさば、9位に鶏肉とトップ10に4つがランクイン。管理栄養士の中沢るみさんは、いわしに熱視線を送る。
「いわしは丸ごと食べられるので、骨をつくるのに欠かせないカルシウムをたっぷり摂ることができます。さらにカルシウムの吸収を助けるビタミンDも多い。しかも、青魚が含有する良質な脂質であるEPAの量においても、いわしはトップクラスです。EPAは血液をサラサラにしてくれるので、血管力を上げる、内臓脂肪を減らす、老化を防ぐなどさまざまな効果が期待できます」(中沢さん)
8位にさばが入ったのも同じ理由。缶詰で骨ごと食べられることで、よりパワーアップするという。