阪神・鳥谷敬(38)や中日・松坂大輔(39)など、一時代を築いたプロ野球選手たちが進退を迫られているが、少数精鋭の選手のなかでも、「引き際を自分で決められる選手」は一握り。
引き際の“美学”を感じさせるのが、「まだやれるはず」とファンに惜しまれながら引退した選手たちだ。
40歳を迎えるシーズンで19年連続となる30号本塁打を放った王貞治氏は、「王貞治のバッティングができなくなった」とユニフォームを脱いだ。
“マサカリ投法”で知られる村田兆治氏も、41歳の現役最終年に10勝をあげた。村田氏はこう語る。
「私も『生涯先発完投』の信念を貫くために、余力を残して自分から引退を申し出ました。自分の信念を貫くか、先発、中継ぎ、抑えの役割にこだわらず続けるのか。引退は誰でも悲しいですが、本人にどんな信念があるかで結論は見えてくる。
現役中にエースと呼ばれた選手ならファンの期待もあるので、中途半端はいけない。個人名は出さないが、進退の決断を間違えたと感じる選手は大勢います」
一方、近年は“全盛期ほどの活躍はできなくても、ボロボロになるまで続けたい”と考える選手も増えてきた。