関東地方を直撃した台風15号は、千葉県を中心に「大規模停電」「断水」などのインフラ遮断で甚大な被害をもたらした。
停電や断水、避難生活で懸念されるのが健康への影響だ。普段は当たり前に受けられる医療が、有事には維持できなくなる可能性も十分に考えられる。
◆停電して「呼吸器」が使えなくなったら
「人工呼吸器」や痰の「吸引器」、肺機能の衰えた人が使う「在宅酸素(酸素濃縮器)」などは電気で動き、止まれば命にかかわる。
東日本大震災時に在宅療養の患者のために奔走した仙台往診クリニック院長の川島孝一郎医師はこう語る。
「『人工呼吸器』は新しいタイプのものなら、停電と同時に内部バッテリーに切り替わり、10時間前後持ちます。ただし、バッテリー切れに備えて外部バッテリーは複数確保し、常に充電しておくべきです。車があるなら、シガーソケット用インバーターも購入しておくといい。最近は卓上コンロのガスボンベで動く発電機もあります。
『酸素濃縮器』は内部バッテリーがないものが多く、人工呼吸器と同様の準備が必要です。『吸引器』は電気がなくても使える『足踏み式・手もみ式』を用意しておくと安心です」
◆避難生活で「持病の薬」が切れたら?