俳優・東出昌大が演じるユニークなCMが話題だ。東出が扮しているのはなんと歯ブラシ。これまでのイメージにはない一風変わった役柄への挑戦に何か狙いが? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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東出昌大、ついにこの域に達したか…と納得したみなさんも多いことと思うサンスター「GUMデンタルブラシ つよゴシとよわゴシ篇」CM。
毛先の細い歯ブラシにも強腰と弱腰があり、強腰のほうが、歯周病の大敵プラークをしっかり除去できることをアピールするこのCMで、東出は歯ブラシに植えられた青と白、二色の「つよゴシの毛」になっているのである。その姿は、青い毛では、全身ぴかぴかスカイブルーのシャツとパンツに頭も同じ色、白いバージョンも同じく頭からつま先(プラスチックの歯ブラシにはまっている)まで白い。
それですらりと頭上に伸ばした手のひらを合わせてとんがったポーズになれば、おお、確かに毛先が細い歯ブラシの毛の形。もちろん、毛はたくさん植えられているので、数えきれない(コツコツ数えれば数えられるんでしょうけど)青と白の東出がいる!!
隣には「どーせ、俺らはよわゴシですよ」とすねた顔の全身真っ白の児嶋一哉がでれっとした感じのひとり弱腰の毛集団に。そして、ふたりは逆立ちして歯磨き中の毛になって、プラークの取れ方に差ができることを人間模型のごとく見せるのである。
擬人化した動物とか妖怪とか、二枚目俳優が奇抜な役を演じて話題になることはしばしばあるが、今回のように「商品そのもの」になりきるというのは、なかなかない。CGも当たり前の昨今、俳優が逆立ちして汚れをとって見せるという画像は、逆に新鮮だ。
東出昌大といえば、朝ドラ『ごちそうさん』で杏の相手役を演じて人気俳優となり、大河ドラマ『花燃ゆ』では若くして散った秀才・久坂玄瑞、『精霊の守り人』シリーズでは、ヒロインを支える実直な幼なじみを演じ、まじめなお兄さんといった印象が強かった。それが妻に浮気され、だんだん怖い顔になっていく夫を演じた『あなたのことはそれほど』、やめるやめるといいながら詐欺集団の一員ボクちゃんとして映画監督やら男性コスメ企業トップやらあっと驚く変装をして相手をだます『コンフィデスマンJP』などで、クセのある演技を披露。