体当たり企画などでもおなじみの『女性セブン』名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、気になるニュースにゆるく斬り込む!
* * *
「今日は小泉進次郎と会えるんですか?」
ライターをしながら、小学6年生を国会議事堂に案内するアルバイトをしている私に最近、こんな質問をする子供が増えてきたの。
実は私、小泉進次郎さん(38才)が政界のホープに躍り出た頃、こっそり追っかけをしたことがある。
グリーン車もないローカル線に乗った時のこと。地元の地方議員と役人の10人以上が横1列のど真ん中に座っている中で、きっぱりと顔を上げて話しているのよ。移動中、疲れて寝たい時だってあるだろうに、私が見た限り、ずーっと政治家として“オン”の顔をしていたの。
自民党の党員でいながら安倍政権と距離を置いている姿勢に、「さすが!」と拍手を送っていた人も多かったはず。ああ見えて、骨のある政治家なのよ、と。その彼が環境大臣に任命され、38才で初入閣を果たすや、
「えっ?」
と、首を傾げたのは私だけじゃないと思うよ。
滝川クリステル(41才)との“授かり婚”とやらに気持ちがざわついた友人は、「まさか、嫁さんにいいところを見せたくて運転手とSPがつく大臣になったんじゃないよね」と言うし。
その声がさらに騒がしくなったのは、環境大臣になっての初仕事。福島に行って、前大臣の発言を詫びた時。
東京電力福島第一原発にたまり続ける処理済みの汚染水を「海洋放出しかない」と言ったことについての謝罪だけど、新任の進次郎大臣は、お詫びの目的を聞かれて、「福島の皆さん、傷つけないように」ときっぱり。さらには原発を「どうやったら残せるかではなく、どうやったらなくせるかを考えたい」とも。
この人、環境大臣の難しさをわかってるのかしらと、日を追うごとに不安になってきたわよ。福島に寄り添い、日本中から原発をなくす覚悟で大臣を引き受けたとしたら、もちろん歴史に残る政治家になる。
「原発反対」は誰だってそうだもの。誰だってできればそうしたい。「原発賛成」と言う人を見たことがない。
東日本大震災のあと、あちこちに太陽光発電が設置された。ここまで田舎の景観をぶち壊していいのかと思うほど大量に。「国から補助金が出ていて、いい投資になるんだよ」という話を田んぼの持ち主から聞いて納得した。
投資かどうかはともかく、これが原発に代わる電力になるなら、こんなにいいことはない。田舎の景観を犠牲にしてもそのかいがある。
でもそうはならなかった。電力問題、原発問題が一筋縄ではいかないのは、長く生きていればなんとなくわかるのよ。