加齢に伴いリスクが高まる「肺炎」は、日本人の死因第3位。年間10万人が命を落とすこの病を防ぐためには「のど」を鍛えることが重要だ。トレーニング方法を指南する特集や医療本は数多くあるが、対策は至ってシンプル。「声帯を使う」ことこそ非常に有効な予防法なのだという。つまりカラオケである。
では、どんな楽曲を選べばいいか。西山耳鼻咽喉科医院理事長の西山耕一郎医師、山王病院国際医療福祉大学東京ボイスセンター・センター長の渡邊雄介医師が指摘した条件を踏まえ、本誌・週刊ポスト読者アンケート「カラオケでよく歌う曲」の上位から、ブレスヴォイストレーニング研究所所長でヴォイストレーナーの福島英氏が選んだのは、井上陽水の『少年時代』だ。
「比較的高い曲調ですが、無理のない範囲で高い声と低い声を歌い分けることで、普段使わない筋肉を鍛えられます。とくに冒頭のAメロは高音と低音の抑揚を意識しましょう」(福島氏)
カラオケ初心者でも無理なく歌えるスタンダードナンバーからは、坂本九『明日があるさ』、かぐや姫『神田川』、来生たかお『夢の途中』、布施明『シクラメンのかほり』などが挙がった。
「いずれも癖がなく、地声で歌いやすい名曲ばかりです。フォークソングが多いので、青春時代を思い出しながら歌うと、のどのトレーニングになると思います」(福島氏)
ロングトーンの曲なら、千昌夫『北国の春』や、テレサ・テン『時の流れに身をまかせ』が適しているという。