「肺炎」は、日本人の死因第3位。年間10万人が命を落とすこの病を防ぐためには「のど」を鍛えることが重要だ。対策は至ってシンプル。「声帯を使う」ことこそ非常に有効な予防法なのだという。つまりカラオケである。
ただ、張り切り過ぎてマイクを離さないのもNGだ。
「2~3時間連続で歌ったり無理に大声を出したりすると、のどの粘膜内で血液の循環障害や出血が起こり、声帯に“カラオケポリープ”ができる怖れがあります。最低でも1時間のうち10分程度は休憩して、のどを休めましょう」(山王病院国際医療福祉大学東京ボイスセンター・センター長の渡邊雄介医師)
お酒を飲みながら歌う場合も注意したい。
「飲酒すると血管が拡張して声帯が柔らかくなり、声が出やすくなります。気分も高揚して長時間、大声でのどに負担をかける歌い方になりやすく、のどを痛めるリスクが高い。深酒と熱唱の組み合わせは極力控えましょう」(渡邊医師)
「どうも歌は苦手で……」という人にお勧めなのは「のどぼとけスクワット」だ。
「高い音と低い音を交互に発音することで、喉頭挙上筋群を鍛えます。演劇部員がよくやる『ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ』の発音で、『ア・イ・エ』でできるだけ大きく高い声をはっきり出し、『ウ・オ』ではできるだけ低い声を大きくはっきり発すれば、のどぼとけが大きく上下に動きます。高低差を意識するとより効果的です」(西山耳鼻咽喉科医院理事長の西山耕一郎医師)