ライフ

競馬シーンを変えた「WINS」 今や特有の雰囲気は消えた

平成で登場した競馬を楽しめる場外の地

 平成がはじまる少し前に、競馬の「場外馬券売場」は「ウインズ」(WINS)という名称に変わる。改装・新設された“鉄火場”はまるでショッピングセンターのようになり、ギャンブル場特有の胡散臭い雰囲気が徐々に消えていった。競馬歴40年のライター・東田和美氏が指摘する。

 * * *
「中央競馬のあらまし」によれば、昭和40年代後半まで馬券の売上がもっとも多かったのは開催競馬場。昭和50年代になって徐々に場外馬券売場での売上の割合が高くなり、平成元(1989)年では、開催場が2割、「ウインズ」が7割(残りは電話投票)になった。

 だからといって競馬場に出かける人が減ったわけではない。平成元年といえば、20歳になったばかりの武豊や、前年中央に移籍したオグリキャップなどの活躍で競馬ブームが到来した年。翌2年のダービーでは東京競馬場に19万人、暮れの有馬記念では、18万人近くの観衆を集め、競馬場の入場人員も年間1000万人に達した。

 昭和最後の年に2兆円を突破したばかりの馬券売上はあっという間に3兆円を超える。GIレース当日ともなれば、競馬場はもちろん大混雑。平成6年には、プロ野球セ・リーグ観客数を上回り、ピークの平成8年には1411万人。開催日には平均5万人近くが競馬場に来ていたということになる。指定席は朝暗いうちから並ばなければ購入できず、プラチナペーパーとなっていた。

 一方、ウインズは繁華街にあるため行きやすく、かつては周囲に予想屋も店を出していて独特の雰囲気があった。入場料も取られないので、競馬場へは行かず、ウインズ専門というファンも多い。館内では競馬場ほど動き回らなくてすむので、馬券検討に集中できるのだという。行けば常連の仲間に会えるし、飲み屋もすぐ近くにある。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン