簡単なようで意外と作るのが難しい「ゆで卵」。半熟から固ゆでまで思った通りに仕上げる方法や、ひと工夫でできる卵黄トロトロゆで卵の作り方など、もっとおいしくいただくコツを紹介する。
【教えてくれた人】
豊満美峰子さん/女子栄養大学大学院了。同短期大学部の食物栄養学科准教授。調理学を専門に教鞭をとる。
◆卵は常温、水からゆでるのがコツ
鶏卵は、ビタミン類やたんぱく質、脂質などの栄養をバランスよく含む優れた食材である。ゆで卵にした場合も、そのまま食べるのはもちろん、タルタルソースやサラダ、麺類のトッピングなど、さまざまな料理に活用できる。
「冷蔵庫から出してすぐにゆでると、温度差で中の空気が膨張して殻が割れてしまうため、常温に戻して水からゆでるのが基本。万が一割れても表面で固まるように、たんぱく質凝固作用がある塩を入れると安心です。煮立ってからの時間を調整すれば、好みのかたさに仕上がりますよ」(豊満さん)
◆好みの仕上がりにするには時間が決め手!
●基本のゆで方
【1】塩を加えて煮立たせる
鍋に卵とたっぷりの水、塩を入れて強火で煮立たせる。塩の比率は水1リットルなら小さじ2分の1の分量。
【2】沸騰後、3分転がす
沸騰後、弱火にして時間を計る。煮立つ直前から3分ほど、菜箸で卵を軽く転がせば卵黄が中心に。
ゆで時間は好みの仕上がりに応じて、変える。目安は、半熟なら3分、やや半熟なら6分、固ゆでなら12分。
ゆですぎると卵黄と卵白の成分が反応して黒ずんでしまい、硫黄のようなにおいが出て味も落ちるため、ゆで時間には注意が必要だ。
【3】すぐに冷水にあげる
好みの仕上がりになったら火を止める。余熱で火が通らないよう、冷水に浸して冷ましておく。