旅行に出かけるときのチケット手配で、鉄道の座席をどこに指定するか。「窓側」と「通路側」で好みの分かれるところだろう。だが、事故が起きた時、“座った場所”によってリスクに差が生じることがある。
運転する人がどれほど安全を図っていても、事故はゼロにはならない。万一の際、生死を分ける「安全な席」、「危険な席」はどこか。数々の調査データをもとに、その傾向を探った。
◆10両編成なら「4~7両目」
9月5日、横浜市内の京急線の踏切で立ち往生した大型トラックと8両編成の快特電車が衝突する事故が発生。この事故でトラックの運転手は死亡、列車は先頭から3両目までが脱線した。とくに先頭車両は大きく傾き、30人以上の乗客が負傷した。
事故について、鉄道評論家の川島令三氏が評する。
「京急は特に安全性を重視しており、先頭車両には必ずモーターを搭載している。床下に重いモーターがついているほうが重心が低くなり、安定するからです。もしこの措置がとられていなければ、今回の事故でも車両が転覆して被害が拡大していたかもしれません」
川島氏が指摘するように、不幸中の幸いで乗客に死者は出なかったが、たまたま乗り合わせた車両や席によって生死が分かれることもある。万一の際にはどの席なら助かりやすいのだろうか。乗り物ごとに検証した。