「将来の総理」としきりと報じられた小泉進次郎・環境大臣に対し、突然メディアからの逆風が吹いている。多くはその発言に「中身がない」などとされる点だ。9月30日付けの東京新聞では大きなスペースを割いて「言語明瞭、意味不明」と評された。
ここでは、国連での「セクシー発言」に加え、福島第一原発事故の影響で出た汚染土の最終処分場建設についての政府の対応について聞かれた時の以下の言葉を紹介した。
「三十年後の自分は何歳か。発災直後から考えていた。三十年後の約束を守れるかどうかの節目を見届けることができる政治家だと思う」
他のメディアでもその“意味不明”な発言が報じられた。原発の汚染水処理問題について聞かれ、、なぜか小名浜の漁協の組合長と喋った時に「ノドグロが好き」と話したことを明かしたり、環境問題について「今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけないと思っている」と話したりした。
現在多くのメディアが同氏の発言に疑問符をつけ始めているが、そもそも同氏の過去発言には、「そこまで内容はないのでは?」というものが散見される。
2009年の初当選時は「解党的出直し、新党のつもりで、もう一度再建しなければいけないという思いで頑張っていきたい」(朝日新聞デジタル版)と述べており、これは野党時代の自民党議員としてまっとうだ。だが、大臣になった今こそ、過去の演説や発言は今振り返っておいた方がいいだろう。
小泉氏について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は「声の良さと通りの良さ、そしてそのイケメンっぷりから多くの人が勝手に『いいことを言っている』と思っていたところがあったのでは。今までの一議員ではそれでも良かったかもしれないが、国を代表して国連の環境関連の会議に出席したり、原発事故や放射能関連の発言をする場合はこれまでの『なんか立派そうだな』的な話法は通用しないのでは」と語る。
では、小泉氏は一議員だった頃、どんな発言をしてきたのか? 今回、彼が最近行った演説で、その特徴がわかる部分をピップアップした。2019年4月、改元前月の統一地方選で茅ヶ崎市の候補の応援演説をした時の小泉氏の演説の一部を文字起こしした。結論としては「今まで、この人が頑張ってきましたが、これからは彼の後を継ぐこの人にぜひ投票してください」というものである。
なにしろそこに至るまでに長いのと、立派なことを言っているものの、話が飛びまくるのが特徴だ。以下、同氏の演説書き起こしである。
◆「政治に無関心であるということは、無関心のままでいられると思います」
「変わってはいけないこと。それは平成の時代は日本にとって戦争がない、そういう時代であったように、次の令和の時代も戦争のない平和な時代にしなければいけません。それは絶対に変わらない。そしてもう一つは、令和の時代をいい時代とするか、そうではないとするか。それはすべてにおいて我々一人一人の意思と覚悟にかかっています。だから、皆さん、一緒に来月から始まる令和という新時代を一人一人の中で必ずいい時代にしようと思って来月5月1日を迎えようではありませんか。
それを今から1か月も前から、新たな時代に向けた力強い意思と覚悟を共有できるそのきっかけを作ってくださったのが、今までの改元にはない、陛下の生前退位に伴う我々が次の時代を事前にわかるということの意味でもあるのです。