スポーツ

ラグビーW杯、日本開催を支えた「雅子さまの先輩」の遺志

勝利の知らせに両陛下も笑顔を浮かべられた(撮影/JMPA)

「ラグビーワールドカップ(以下、W杯)、日本がなんと勝利を収めたようです!」

 司会者が興奮気味にそう告げると、会場のあちこちから歓声があがった。天皇皇后両陛下も笑みを浮かべ、小さく拍手をするように手を動かされ──。

 9月28日、列島が沸いた。世界ランク9位の日本代表は同ランク2位のアイルランドに挑み、下馬評を覆して19対12で勝利。過去の戦績は0勝9敗、一度も勝てなかった相手からの大金星だった。

「試合終了のその時、両陛下は茨城県で国民体育大会の懇談会に出席されていました。司会者が日本の勝利をアナウンスすると、陛下は『うれしい知らせですね』と話されました。お隣で雅子さまも喜ばれておられたようです」(皇室記者)

 開幕以来、日本人は世界のトップレベルのプレーを間近で堪能している。ただ、ラグビー強豪国ではない日本での開催に至るまでの道のりは容易なものではなかった。そんな夢の実現に奔走した外交官がいた。外務省の奥克彦元参事官(殉職後に大使へ昇進、享年45)だ。

「1981年に外務省に入った奥氏は、1987年入省の雅子さまの先輩に当たります。また、奥氏は陛下や雅子さまと同じく英オックスフォード大学への留学経験があります」(外務省関係者)

 奥氏は、知る人ぞ知る、「ラガー外交官」だった。

「兵庫県立伊丹高校2年生の時にラグビーの全国大会である花園に出場し、3年生ではキャプテン。180cmを超える長身で、体にバネのある奥氏のプレーは際立っていた。進学した早稲田大学ラグビー部でも、“将来は日本代表”と言われるほどの活躍だった。

 しかし、2年生の夏に突然の退部。目標だった外交官になるためでした。猛勉強の末、超難関の『外務公務員上級試験』に見事合格。突然の引退以上に、周囲を驚かせたそうです」(スポーツ紙記者)

 外務省入省後に留学したオックスフォード大でラグビーを再開、レギュラーにも抜擢され、日本人として初めて公式戦に出場した。留学後は世界を飛び回る中で得た人脈を生かし、ラグビーW杯日本開催に向けて奔走した。

関連記事

トピックス

大型特番に次々と出演する明石家さんま
《大型特番の切り札で連続出演》明石家さんまの現在地 日テレ“春のキーマン”に指名、今年70歳でもオファー続く理由
NEWSポストセブン
NewJeans「活動休止」の背景とは(時事通信フォト)
NewJeansはなぜ「活動休止」に追い込まれたのか? 弁護士が語る韓国芸能事務所の「解除できない契約」と日韓での違い
週刊ポスト
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん(Instagramより)
《美女インフルエンサーが血まみれで発見》家族が「“性奴隷”にされた」可能性を危惧するドバイ“人身売買パーティー”とは「女性の口に排泄」「約750万円の高額報酬」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
屋根工事の足場。普通に生活していると屋根の上は直接、見られない。リフォーム詐欺にとっても狙いめ(写真提供/イメージマート)
《摘発相次ぐリフォーム詐欺》「おたくの屋根、危険ですよ」 作業着姿の男がしつこく屋根のリフォームをすすめたが玄関で住人に会ったとたんに帰った理由
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン