溝口:もともと原発にはヤクザが作業員としてたくさん入っていましたからね。
鈴木:そうです。ヤクザが人材派遣をするし、復旧に当たった「福島50(フィフティ)」のなかに暴力団関係者がいると言われていました。
溝口:私もそう聞いています。
鈴木:ただし結局、裏取りができなかった。
溝口:原発の作業員としては五次下請けくらいまであって、いくらでも紛れ込ませることができます。
鈴木:10年くらい前までは、ヤクザ自身も原発の作業員として入っていましたが、暴排条例でうるさくなったから、人材を送り込むだけになっていった。私も福島原発の廃炉作業に潜入したときは、ヤクザに送り込まれたわけです(笑い)。
溝口:ヤクザがいないと、廃炉作業も進まないということでしょう。
鈴木:原発事故は特殊ですが、災害が一段落すると、やはり復興利権にはヤクザが絡んできます。
溝口:建設業界への人材派遣は、伝統的なヤクザのシノギです。とくに震災復興となれば莫大な人手が必要なので、ヤクザが入り込む余地が大きくなる。