外務省は9月24日、在韓国日本大使館の公式サイト内で、「日本と韓国の空間線量率」と題し、韓国語と日本語で「福島市」「いわき市」「東京」「ソウル」の空間における1時間あたりの放射線量について公開を始めた。同ページの記載によると、〈最近、特に韓国において日本の放射線量等についての関心が高まっていること〉が理由だという。
河野太郎防衛相は、同日にこうツイートした。
〈私が外務大臣当時に指示した、東京、福島市、いわき市、ソウルの空間線量率の在韓国日本大使館のホームページへの掲載が始まりました〉──前外相の置き土産だったようだ。
表示されている空間線量の数値を見ると、各地とも9月27日12時00分時点で、福島市0.135マイクロシーベルト/時、いわき市0.060マイクロシーベルト/時、東京0.036マイクロシーベルト/時、ソウル0.120マイクロシーベルト/時となっている。この中では福島市が一番高いが、それに次ぐのがソウル市で、いわき市の2倍、東京の3.3倍という数字が出ている。
この件について、韓国の中央日報日本語版(2019年9月26日付)は「『東京の放射線量、ソウルより低い?』…駐韓日本大使館が公開した測定値を見ると」と題した記事を掲載。記事では〈測定機関も違い、具体的な測定地点や天気など変数を考慮しなかった測定値であるため単純比較は不適切だという指摘もある〉と述べている。
一方で、ソウルの空間線量率が高い理由を窺わせる内容の記事が、同じく韓国紙の朝鮮日報日本語版で報じられた。同紙は27日付で「まさかわが家も『ラドン・マンション』? 韓国新築10棟中6棟は基準超過」と題した記事を掲載している。
韓国の国立環境科学院が、韓国北西部にあたる首都圏および忠清道地域で、2018年11月から今年5月までに竣工したマンション9棟の60戸で屋内ラドンの濃度を測定したところ、〈37戸(62%)で世界保健機関(WHO)勧告基準の1立方メートル当たり148ベクレルを上回る値を検出した〉という。中には、〈ラドンの平均濃度が勧告値の2.4倍にもなる1立方メートル当たり345ベクレルを検出したというケースもあった〉。