「首都圏の住んでみたい街アンケート」(マンション分譲大手7社で構成されるメジャーセブン)の2019年版の結果が発表された。1位「恵比寿」と2位「品川」は昨年と変わらず、3位に「目黒」がランクインしたが、これらの街の駅近にマンションを買おうとしたら、相当な予算がないと難しいだろう。だが、JRの主要路線の沿線には、交通利便性が高いのに、手頃なマンション価格で“コスパ最強”のエリアがある。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が勧めるのは、ずばり「赤羽」だ。
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住宅購入の相談をお伺いしていると、非常に漠然とした質問を受けることが多い。
「マンションはどこに買うのがいいのでしょう?」
こういうのがいちばん困る。答えようがないからだ。まず、その方ご自身や家族にとってどんな場所に、どんなカタチの住宅が必要なのか。予算はおいくらなのか。ご自身や家族の未来をどのように想定されているのか……。
住まいを選ぶためにはそういうことをひとつひとつはっきりさせて、条件を絞っていかなければならない。どんな人にも、どんな家族にも「この街のこのマンションはいいですよ」などという物件はない。
だから相談をいただくとまず、「なぜ住宅をご購入なさるのですか?」という、大まかなニーズからお伺いする。なるべくプライバシーには立ち入らぬよう、ご家族のことや未来設計図も尋ねてみる。
私はマンションの資産価値をアレコレと評価することを自分の仕事の柱にしている。だから私がよく聞かれる質問には「資産価値が落ちにくい住まい」、あるいは「5年後か10年後にできるだけ高く売れるマンション」はどこにあるのか──といった相談が多い。
はじめから資産価値が落ちにくいと分かっている住まいは、都心でも人気のある一等地。港区の表参道や千代田区の番町、渋谷区の代官山などだ。しかし、そんな場所では普通の所得の方は買えない。
5年後か10年後にできるだけ高く売りたいと思っても答えは同じ。山手線の内側か、せいぜいそこから5駅以内だ。ただ、この先中古マンション市場は全般的に下落が予想されるので、間違っても値上がりを期待してはいけない。
では、普通の所得の方がこれからマンションを購入するには、どのあたりがいいのか。