患者数が2800万人と言われる腰痛は、抜本的な治療法が限られるのが悩ましいところ。もしかしたら解消策は、病院や整骨院などではなく、日常生活のなかに見出せるのかもしれない。
腰痛に関する最新の研究とともに、日常生活のなかで「やっていいこと」と「ダメなこと」を腰痛の名医に聞いた。電車に乗った際など、満席で立たなければならないことは多い。つり革を掴んで立つと、電車が揺れるたびに腰に衝撃が……。
電車やバスなどでは、進行方向に向いて立つと良いという。つり革を掴んで座席側(横)を向くと、進行方向に対して横向きになる。すると、電車の加速・減速のたびにどちらかの足に体重がかかる。
関東労災病院主任理学療法士でコンディション・ラボ所長の園部俊晴氏がアドバイスする。
「腰を安定させる立ち方は、両足に均等に体重をかけること。左右どちらかの足に重心を置くと腰に負担がかかるので、足を肩幅に開き、真ん中に重心を置くようなイメージで立つのが良い。
また、腰痛持ちの人にありがちですが、腰を守るようにかかとに体重を乗せ、へっぴり腰になるのは逆に腰痛を悪化させます。腰を曲げている状態なので、腰骨に負担がかかりやすいからです。背筋は真っ直ぐ伸ばしましょう」
進行方向に向いて立ちにくい状況なら、ドア近くに移動して手すりをつかむ。