女優・遠山景織子さんといえば、社会現象にもなった1993年の映画『高校教師』で主演に抜擢され、日本アカデミー賞の新人俳優賞など、その年の新人賞を軒並み受賞という快挙を達成。その後は1998年からバラエティー番組『笑う犬』シリーズにレギュラー出演するなど多方面で活躍するも、妊娠・出産を機に仕事をセーブしていた。
そんな遠山さんが最近、SNSなどで注目を集めているのが、「お弁当」。毎日の食費の管理が、どの家計にもカギになるのはいうまでもないが、家計管理と料理の質は、実は一緒に向上できるものだという。『家計ノート』の著者でも有名な家計管理のプロフェッショナルでもある細野真宏さんが、どの家庭でも悩ましい家計管理と料理の質の上げ方について遠山さんに迫った。
細野:遠山さんは、シングルマザーという選択をされたわけですが、家計のやりくりは大変ではなかったですか?
遠山:もちろん困ることもありましたが、実は私は小さいころから、今あるお金でやりくりするのは慣れていたんですよね。
細野:そうだったのですね。いつくらいからですか?
遠山:もう小学生の時から。両親が仕事で忙しかったので冷蔵庫にあるもので何かを作るとか自分でやっていましたね。母のシチューなど作り置きがある時はいいんですが、ない時はご飯だけ炊いてハムをのっけてマヨネーズだけで食べていたりとか。
細野:小学生の時から自炊していたってスゴイ! すでにこの時点で、環境に合わせて行動されていたのですね。
遠山:そうですね。ご飯の食材についても、自分で買い物をしなくてはいけないから、もらっているお小遣いの中からやり繰りをしていました。
細野:食費もお小遣いからだと、かなり早い段階から金銭感覚が身についていたのですね。でも、足りなくて困ったりはしなかったんですか?
遠山:それ以外はもらえないし言えないし。欲しかったら自分でやり繰りするしかなかったんです。
細野:その環境下は厳しいですけど、大人になってからも役立ちますね。遠山さんは、お子さんのお小遣いも同じシステムですか?
◆遠山景織子の原点には遠山家代々の徹底された金銭教育があった!
遠山:そうですね。中学生の時は携帯を買ってあげなかったし、お小遣いも1年生の時は「1000円ね。これをもらえてるだけでスゴイんだよ」と言い聞かせていました。
細野:確かに、『家計ノート』の最新データだと、中学生の1か月のお小遣いの平均額は2536円なんですが、一番スタンダードなのが1000円か2000円なんですよね。中学1年生だと1000円は悪くないですね。
遠山:ですよね。だから息子が「お金がなくなって今日はパンを買いたいから」と言った時に、「友達はお金もらえるのに、なんでウチはダメなの?」という話になるんです。そんな時は、私は「それは自分の管理でしょう。足りないって、自分が残しておかなかったからでしょ。だからもらっている範囲の中で漫画買いたいのか、何したいのかっていうのを決めてね」って。