昨季までセ・リーグ3連覇を成し遂げたものの、今季は4位に終わった広島は緒方孝市監督が辞任。佐々岡真司1軍投手コーチが監督に昇格する見込みだ。4日には球団本部長との会談で来季監督を打診され、本人も受諾する以降を示している。
佐々岡コーチは、1990年のプロ入り1年目に13勝17セーブを挙げる活躍を見せ、2年目には最多勝と最優秀防御率、沢村賞、ベストナインを獲得。チームを優勝に導き、MVPに輝いた。2003年には江夏豊氏、大野豊氏、斉藤明夫氏、山本和行氏、郭源治氏に続いて史上6人目となる100勝100Sを達成。2007年の引退後、解説者を経て2015年から2軍の投手コーチとなり、今季は1軍投手コーチを務めていた。
昨今の球界では“投手出身は監督に向いていない”という説も囁かれている。実際、21世紀になってから投手出身の優勝監督は数えるほどしかいない。セ・リーグでは2003年の阪神・星野仙一監督のみ、パ・リーグでは2008年の西武・渡辺久信監督、2013年の楽天・星野仙一監督、2015年、2017年の工藤公康監督。両リーグ合わせて、のべ38シーズンで5例しかない。当の広島でも長谷川良平監督以来、実に53年ぶりの投手出身監督誕生となる。野球担当記者が話す。
「よく言われるのは『投手は自分中心の考え方なので監督に向いていない』という理由です。ただ、巨人の藤田元司監督が1989年、1990年と連覇した頃は『投手出身監督は投手心理がわかるので指揮官に向いている』とプラスに考えられていました。現に、1980年代のセ・リーグでは、10年のうち5年は投手出身監督のチームが優勝しています」(以下同)
過去には、“外野手は監督に向いていない”という説もあった。しかし、2015年のヤクルト・真中満監督、2016~2018年の広島・緒方孝市監督とセ・リーグの覇者は昨季まで4年連続で外野出身。パ・リーグの最近10年を見ても、2010、2011、2014年のソフトバンク・秋山幸二監督、2012、2016年の日本ハム・栗山英樹監督と半数は外野出身。秋山氏は現役6年目までは三塁だったが、22年の現役生活で3分の2以上は外野を守っている。