スポーツ

ラグビー代表トンプソンルーク 尊敬の日本文化めっちゃいい

トンプソンルーク(196cm)と田中史朗(166cm)の身長差は30cm(写真/アフロ)

 ラグビーワールドカップで快進撃を見せる日本代表チーム。桜のジャージを着た海外出身の選手たちが、日本を背負っている――。彼らはなぜ日本代表を選んだのか。日の丸の勝利のために戦うのか。ノンフィクションライターの山川徹氏が、彼らの想いと足跡を追った。

 * * *
「日本代表は私のライフのハイライトです。日本はめっちゃいい国。特に大阪が大好き。好きな町に暮らし、その国を代表して戦う。そこがラグビーのいいところですね」

 激しいタックルで、日本のピンチを再三救った日本代表4番のトンプソンルーク(38才)は流暢な関西弁でそう話してくれた。

 大きく曲がった鼻骨が、どんな相手にも、ひるまずにぶつかっていった証である。1981年生まれの38才。自らを「おじいちゃん」と呼ぶ。

 ニュージーランドのクライストチャーチ北部にあるカイアポイ出身。牧場を営む父も、ラグビーの地域代表としてならした名選手だった。子供の頃から楕円球に親しんだトンプソンも、真っ黒なジャージをまとうニュージーランド代表――通称オールブラックスに憧れた。

 しかし196cmの長身も、世界一のラグビー大国であるニュージーランドでは強みにはなりえない。

 三洋電機(現パナソニックワイルドナイツ)に誘われて日本の土を踏んだのは、2004年のことである。

「ニュージーランドでは道路工事のアルバイトをしながらプレーしていました。でも日本では、プロのプレーヤーとして、フルタイムで大好きなラグビーができる。それが、ぼくにとって“ライフ イズ グッド”でした」

 はじめは1、2年で帰国し、夢だったオールブラックスを目指そうと考えていた。だが、三洋電機で2年間の契約が切れたあと、大阪の花園ラグビー場をホームグラウンドにする近鉄ライナーズに声をかけられ、移籍を決意する。

 日本に残ったのは「オンフィールドだけでなく、オフフィールドが面白かったから」と言う。オフフィールドとはラグビー以外の生活のことだ。

サモア戦でも活躍(撮影/藤岡雅樹)

関連キーワード

関連記事

トピックス

都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
中日ドラゴンズのレジェンド・宇野勝氏(右)と富坂聰氏
【特別対談】「もしも“ウーやん”が中日ドラゴンズの監督だったら…」ドラファンならば一度は頭をかすめる考えを、本人・宇野勝にぶつけてみた
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン